月経不順
正常な月経周期は25~38日くらいです。月経の周期は28日前後の方が多いのですが、人によって25から38日程度まで、ばらつきがあります。常に一定の人もいれば、多少ずれる人もいますが、範囲内に収まっていれば問題ありません。月経不順の多くは、ストレスを受けて自律神経が乱れ、ホルモン分泌に影響が出るために起こります。体調が悪い場合も、ホルモン分泌の乱れで月経不順になることがあります。
月経不順のタイプ
月経不整
月経周期が25~38日以内にあれば正常だと考えられます。毎月きちんと28日や30日など決まった周期で来る必要はありません。前月27日目にあり、今月はやや遅れて35日型になったというような場合は、ごく正常です。しかし、いつも40~50日型、あるいは20日ごとに月経があるというようなケースは何らかの問題が潜んでいることがあるので、産婦人科医にご相談ください。
稀発月経
月経の周期が正常範囲を超えて長くなっている状態のことを稀発月経と呼びます。月経が始まった後に、次の排卵が起こるまでに長い日数を要するため、結果的に月経周期も伸びてしまうのです。つまり、排卵はあるものの、スムーズに排卵が起こらないケースが多いのです。なお、月経と思っていた出血が、実は排卵が無い出血ということもよくあります。
頻発月経
稀発月経とは逆に、月経周期が極端に短くなっている状態です。排卵が起こっていないため無排卵性出血が生じていることが少なくありません。月経様出血と次の出血の間が2週間くらいしか無く、かつ出血期間が10日とか2週間と長く続く場合は、きちんと排卵が起こっていないと考えられます。
無月経
ご承知のとおり、妊娠すると月経が起こりませんが、このような理由が無いにもかかわらず90日以上月経が来ない場合は、無月経と考えられます。生理不順でも90日以上月経が無い場合は、単なる生理不順ではなく、より注意を要するタイプです。このような無月経の多くは排卵が起こらないでホルモンの機能が低下、あるいはほとんど停止していることが多いのです。しかも、この無月経の状態を長期間放置しておくと、ホルモンの失調がますます強くなり、がんこな排卵障害になります。無月経の期間が3ヶ月以上続いたら、早めに受診しましょう。もちろん妊娠が考えられる場合も同じです。
月経不順の方は
月経不順になったら、まず自身の生活をきちんと見つめ直すことが大切です。1日3回栄養バランスのとれた食事を摂って、十分な睡眠をとり、適度な運動も心掛けましょう。また、月経不順の大きな敵であるストレスと上手につき合うことも大切です。それでも月経不順が続くようなら、婦人科を受診しましょう。
月経困難症
月経困難症について
月経に伴う痛みが強く、日常生活に支障を来たす状態のことを「月経困難症」と呼んでいます。月経時にお腹が痛くて仕事や家事がはかどらなくなっている方や、市販の鎮痛剤を頻繁に飲んでしまう方は月経困難症の可能性があります。腰痛、悪心、嘔吐、ふらつき、頭痛、頭重、食欲不振などがある方も、まずは当クリニックまでご相談ください。
月経困難症のタイプ
月経困難症には、「特に病気というほどではなく、誰にも起こり得るタイプ」=機能性月経困難症と、「子宮内膜症などの病気によるタイプ」=器質性月経困難症があります。前者の場合は、毎月の排卵周期のなかで分泌される女性ホルモンの副次的な作用により、プロスタグランジンという痛みの物質が増加することで起こります。これに対し、後者のタイプは治療が必要です。特に、子宮内膜症によって月経困難症となるケースが年々増加傾向にあります。この他にも、子宮腺筋症や子宮筋腫、子宮の奇形なども原因となります。
月経困難症の治療
月経困難症の治療に際しては、まず初めに月経痛を引き起こしている原因を考えます。様々な検査を行い、子宮や卵巣における器質的な異常によるものだと判断されたときは、その原因疾患の治療を進めます。
一方、機能性の月経困難症だと判断されたときは、生活習慣を工夫したり、痛み止めを服用したり、ピルの使用を検討したりします。軽いジョギング、ウォーキング、ストレッチングなどを続けると、骨盤内の血流が改善するため、症状が軽くなります。また、痛み止めやピルを使用することにより、多くの方は仕事や家事を楽にこなせるようになります。
おりものの悩み
デリケートゾーンのかゆみ、痛み、できもの、おりものが多い、におう
このような症状は、膣内に元々いる常在菌のバランスがストレスなどによって崩れ、本来の自浄作用(膣内の乳酸菌が他の菌の増殖を防ぐ働き)が落ちることにより出ている可能性があります。常在菌が増えているだけなので、基本的には人に菌を移したり移されたりすることはお互いがよっぽど体調が悪くない限りありません。検査で原因菌がわかれば、すぐに治療を開始し、数日で良くなるケースがほとんどです。
しかし、同じような症状の陰に性病が隠れていることがあります。性病は常在菌よりも強い感染力とわからないまま長期にわたって感染状態が続くといろいろな症状が出てくるのが特徴です。結果的に赤ちゃんが出来にくくなる可能性もありますが、見つかって治療をすれば大半は治ります。診断と治療に時間がかかるため、気になったら検査を受けることをおすすめします(詳細は性病が心配のページをご覧ください)。