ピル(低用量ピル)

低用量ピルについて

避妊するための手法には幾つかありますが、最も代表的ともいえるのが低用量ピルです。正しく服用した場合の避妊効果はほぼ100パーセントです。女性ホルモンの含まれている低用量ピルを毎日服用することにより、一般的なコンドームの使用よりもずっと高い避妊効果が得られます。ピルは①排卵を抑制し、②子宮内膜の増殖を抑え、受精卵が着床しにくい状態にしたり、③子宮の入口の粘液を変化させ、精子が子宮内に入りにくくします。正しく服用すれば、①~③の合わせ技で、避妊効果だけでなく、オマケのいいことがたくさんあります。

~オマケのいいこと~

  • 月経周期が整う!
  • 月経の時期をコントロール出来る!
  • 月経の痛みが減る!
  • 月経の量が減る!
  • ニキビや多毛が良くなる!
  • PMS(月経前の体調不良)が軽くなる!
  • 子宮内膜症による月経以外のお腹や腰の痛みがよくなる!
  • チョコレートのう腫が小さくなる!
  • 卵巣がんになりにくくなる 内服期間が長いほどよし!
  • 子宮体がんになりにくくなる ピル中止後も効果が続く!
  • 大腸がんになりにくくなる!

このようないいことが起こるのはなぜかと言うと、、、
現代女性は出産回数が少ない分、一生の月経回数が原始時代の女性と比較して9~10倍多いと言われています。 月経が止まらないと子宮も卵巣も休む暇がありません。子宮と卵巣が休むまもなく動き続け、女性ホルモンが常に子宮と卵巣に働き続けることにより、子宮体がん、卵巣がん、子宮内膜症が発生することがわかっています。ピルは卵巣を休ませ、子宮には最低限の出血を起こさせるお薬なので、子宮も卵巣も負担がかからなくなり、様々な病気を遠ざけることが出来るのです。

低用量ピルの安全性

いいことがたくさんあるピルですが、まったく副作用が無いわけではありません。最も懸念されるのは血栓症のリスク増です。その他、片頭痛、吐き気、イライラ、性欲減退、むくみ、膣炎などが指摘されているので、当クリニックでは詳細な問診や検査により、ピルのメリットよりデメリットの方が大きいと判断した場合には他院からの継続処方であっても処方はお断りさせていただきます。その代わりに、ピル以外の避妊法や症状改善のご提案をさせて頂きますのでご安心ください!

アフターピル(緊急避妊)

緊急避妊(アフターピル)

緊急避妊は、妊娠を考えていない方が避妊せずにセックスしてしまった場合や、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こったなどの場合に、妊娠を防止する目的で行われます。幾つかの手法がありますが、最も一般的な方法が緊急避妊ピルの服用です。これは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を成分とした薬剤であり、無防備なセックスが行われた後、72時間以内に、しかも出来るだけ速やかに所要量のピルを服用します。

どうして緊急に避妊が出来るのかについてですが、患者様の月経周期のどの時期に、緊急避妊ピルが服用されたかによって作用の仕方は異なってきます。妊娠の成立とは受精卵が子宮内膜に着床することを言うのですから、いったん着床してしまい、妊娠が成立してからは、緊急避妊ピルは無効になります。そのため、一刻も早く服用しなければならないのです。

緊急避妊ピルの効果

緊急避妊ピルが妊娠を防止する効果が期待できますが、100%うまくいくという訳ではありません。正しく服用した場合でも、約2%に妊娠を防止できない場合があると言われています。したがって、この方法は低用量ピルの代用とはなり得ないとご理解ください。また、緊急避妊ピルが本当に効いたかどうかは、服用後すぐにはわからず、3週間後に妊娠検査薬で確認するのが確実です。数日ないし数週間後に月経が来て初めてわかるわけです。もし、予定月経が一週間以上遅れたり、このほか心配なことが出てきた場合には、早めにご相談ください。

緊急避妊ピルの安全性

緊急避妊ピルの安全性についてですが、世界中では、1970年代半ばから使用されてきており、半世紀近い歴史があって、その安全性は確立されております。但し、低用量ピルと同様に、緊急避妊ピルについてもやはり服用してはいけない人や、慎重な使用を要する人がいますので、少しでも不安な方は遠慮無くお尋ねください。なお、緊急避妊ピルの副作用に関してですが、一時的に少し気持ち悪くなったりする程度の軽いものです。